文部科学大臣メッセージ
「世界自閉症啓発デー」に当たっての文部科学大臣メッセージ
4月2日は、国連で定められた「世界自閉症啓発デー」です。我が国では、 毎年、4月2日から8日までの1週間を「発達障害啓発週間」とし、自閉症を はじめ、発達障害についての正しい理解が進むよう啓発活動に取り組んでお ります。
文部科学省では、発達障害をはじめ、様々な課題を抱えている子供たちを 誰一人取り残さず、可能性を最大限に引き出す学校教育の実現を目指すとと もに、障害のある方が一生を通じて自らの可能性を追求し、その個性や能力 を生かして活躍できるよう、学校教育、生涯学習、文化芸術、スポーツ等の各 分野において、省内はもちろんのこと、厚生労働省やこども家庭庁等関係省 庁とも連携し、横断的・総合的に関連施策を推進しております。
そして、発達障害を含め、障害のある子供一人一人の教育的ニーズを踏ま えた適切な教育の提供が図られ、「インクルーシブ教育システム」の実現に向 けて、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごすための条件 整備と、一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として取り 組んでおります。
「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する 調査」を昨年12 月に公表し、調査結果から、学習面又は行動面で困難を示す とされた児童生徒が通常の学級に一定の割合で在籍していることが明らかに なりました。この調査結果なども踏まえ、今後、児童生徒の実態を適切に把握 し、必要な支援を組織的に行うための校内支援体制の充実や自らの学校で受 けられる通級による指導の促進など、通常の学級に在籍する障害のある子供 の支援の充実を図ってまいります。
今後も、自閉症を含む障害のある子供たちに更なる学びを充実させるとと もに、障害のない子供たちや関係者に対しても、自閉症について理解を深め ていくことができるよう取組を進めてまいります。
結びに、この「世界自閉症啓発デー」や「発達障害啓発週間」が、全ての 教育関係者等にとって、発達障害をはじめとする障害についての理解を深め、 本人や保護者の方々の気持ちに寄り添った支援について真摯に考え、実践す る契機となり、障害の有無に関わらず誰もがその能力を発揮し、共生社会の 一員として共に認め合い、支え合い、誇りを持って生きられる社会の実現に つながっていくことを強く期待いたしまして、私からのメッセージといたし ます。
令和5年4月2日
文部科学大臣 永岡 桂子