国連事務総長と大臣からのメッセージ

世界自閉症啓発デー2023・メッセージ

国連事務総長メッセージ (2023.04.02)

世界自閉症啓発デーによせて

世界自閉症啓発デーに、私たちは自閉症をもつ人たちの貢献を祝い、固有の権利を前進させる決意を新たにします。

障害者権利条約と持続可能な開発のための2030アジェンダに沿って、社会が進歩しているにもかかわらず、自閉症の人々は、権利と基本的自由の完全な行使に対する社会的及び環境的な障壁に直面し続けています。

あらゆる人々が、インクルーシブな教育、平等な雇用機会、自己決定が尊重される環境が促進されることを行使されなければなりません。そして、自閉症の人々を支える家族、介護者を支えるネットワークの役割も重要です。

日々、自閉症の人々が私たちの社会に積極的かつ多様に貢献していることを十分理解し、自閉症の人々と協力し、すべての人にとって包括的で生きやすい世界を構築しましょう。

2023年4月 東京 国連事務総長
アントニオ・グテーレス

(世界自閉症啓発デー・日本実行委員会事務局による仮訳)

厚生労働大臣メッセージ (2023.04.02)

第16回世界自閉症啓発デー(令和5年4月2日)に寄せて

はじめに、自閉症をはじめとする発達障害のある方々の生活を日々支えておられるご家族の皆様、地域で支援に携わっている関係者の皆様に心から敬意を表します。

毎年4月2日は、国連の定める「世界自閉症啓発デー」です。今年で制定から16回目を迎えます。また、我が国では4月2日から8日までを「発達障害啓発週間」としています。日本自閉症協会をはじめとする関係団体の皆様のご尽力により、今年も、世界自閉症啓発デー関連イベントが開催できますことに改めて御礼を申し上げます。

今年は「みんなたいせつ こせい とくせい たようせい」をキャッチコピーに、啓発活動を進めています。また、発達障害啓発週間の間は、東京タワーや全国各地のランドマークを「癒やし」や「希望」などを表す青色でライトアップする「ライト・イット・アップ・ブルー」などが行われます。国民の皆様には、こうしたイベントを契機として、自閉症をはじめとする発達障害への理解を深めていただきたいと思います。

発達障害は、親のしつけや教育の問題ではなく、脳機能の障害によるものです。その特性は一人ひとり様々であり、御自身の得意な分野を活かして活躍されている方も数多くおられます。一方で、周囲の理解が十分でないことによって、その行動や態度が「自分勝手な人」、「変わった人」などと誤解され、生きづらさを感じながら生活している方もおられます。発達障害に対する正しい理解が社会に広まれば、周囲の方の接し方も変わり、そうした生きづらさも軽減されると考えています。

発達障害者支援法では、乳幼児期から高齢期までのライフステージを通じた切れ目のない支援を実施することや、家族なども含めたきめ細かな支援を推進し、身近な場所で支援が受けられる体制を構築することなどが明記されています。

厚生労働省においては、この法律の趣旨も踏まえ、各都道府県等に設置されている発達障害者支援センターを中心として、御本人や御家族からの相談に応じるとともに医療、保健、福祉、教育、労働等の関係機関と連携した専門的な支援を実施するほか、ペアレントトレーニングなどの発達障害の特性の理解や適切な行動を促すための研修等に取り組んでいます。

折しも、昨日からはこども家庭庁が発足し、障害児支援についても、こども政策全体の中で一層の推進が図られることが期待されます。
発達障害のある方がその力を発揮できる社会、そして、多様性を認め、障害の有無に関わらず、共に育ち共に生きる社会の実現に向けて、関係府省とも連携しながら、引き続き取組を推進してまいります。

今後とも、皆様の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

令和5年4月2日
厚生労働大臣 加藤 勝信

文部科学大臣メッセージ (2023.04.02)

「世界自閉症啓発デー」に当たっての文部科学大臣メッセージ

4月2日は、国連で定められた「世界自閉症啓発デー」です。我が国では、 毎年、4月2日から8日までの1週間を「発達障害啓発週間」とし、自閉症を はじめ、発達障害についての正しい理解が進むよう啓発活動に取り組んでお ります。

文部科学省では、発達障害をはじめ、様々な課題を抱えている子供たちを 誰一人取り残さず、可能性を最大限に引き出す学校教育の実現を目指すとと もに、障害のある方が一生を通じて自らの可能性を追求し、その個性や能力 を生かして活躍できるよう、学校教育、生涯学習、文化芸術、スポーツ等の各 分野において、省内はもちろんのこと、厚生労働省やこども家庭庁等関係省 庁とも連携し、横断的・総合的に関連施策を推進しております。

そして、発達障害を含め、障害のある子供一人一人の教育的ニーズを踏ま えた適切な教育の提供が図られ、「インクルーシブ教育システム」の実現に向 けて、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごすための条件 整備と、一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として取り 組んでおります。

「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する 調査」を昨年12 月に公表し、調査結果から、学習面又は行動面で困難を示す とされた児童生徒が通常の学級に一定の割合で在籍していることが明らかに なりました。この調査結果なども踏まえ、今後、児童生徒の実態を適切に把握 し、必要な支援を組織的に行うための校内支援体制の充実や自らの学校で受 けられる通級による指導の促進など、通常の学級に在籍する障害のある子供 の支援の充実を図ってまいります。

今後も、自閉症を含む障害のある子供たちに更なる学びを充実させるとと もに、障害のない子供たちや関係者に対しても、自閉症について理解を深め ていくことができるよう取組を進めてまいります。

結びに、この「世界自閉症啓発デー」や「発達障害啓発週間」が、全ての 教育関係者等にとって、発達障害をはじめとする障害についての理解を深め、 本人や保護者の方々の気持ちに寄り添った支援について真摯に考え、実践す る契機となり、障害の有無に関わらず誰もがその能力を発揮し、共生社会の 一員として共に認め合い、支え合い、誇りを持って生きられる社会の実現に つながっていくことを強く期待いたしまして、私からのメッセージといたします。

令和5年4月2日
文部科学大臣 永岡 桂子

こども政策担当大臣メッセージ (2023.04.02)

第16回世界自閉症啓発デー(令和5年4月2日)に寄せて

毎年4月2日は、国連の定める「世界自閉症啓発デー」です。また、我が国で は4月2日から8日まで「発達障害啓発週間」として様々な啓発活動に取り組ん でいます。今年は「みんな たいせつ こせい とくせい たようせい」をキャ ッチコピーとしたポスター等の掲示をおこなっています。また、自閉症のシンボ ルカラーである青色で地域を照らす「ライト・イット・アップ・ブルー」がおこ なわれます。
みなさんの地域において、これらの取組を契機にして、自閉症をはじめとした 発達障害のあるこども1人ひとりの大切な個性、特性が理解され、生まれ育つ地域のなかで、こども 1 人ひとりの多様性が尊重されることを願います。

こども家庭庁は、昨日、「こどもまんなか」社会の実現に向けた司令塔として 発足しました。今後、発達障害を含む障害のあるこどもの支援については、こど も家庭庁においてその事務を所管することになります。
その際、全ての国民が障害の有無にかかわらず、互いに尊重し合い、ともに生 きていく共生社会の実現に向けて、障害のあるこどもの地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進する観点に立って、障害や発達に課題のあるこども への支援を進めていくことが重要であると考えております。

「世界自閉症啓発デー」や「発達障害啓発週間」が、こども1人ひとりの個性 や特性を理解し、こどもや子育てをしている人の気持ちに想いを馳せて、寄り添 う契機になることを期待しています。また、そのことが、こどもが生まれ育つ地 域において、自閉症・発達障害の有無に関わらず、すべてのこどもと子育てをし ている人が、それぞれの多様性を認め合い、尊重し合い、誇りをもって生きられ る社会の実現につながっていくことを強く期待して、私からのメッセージとい たします。

令和5年4月2日
こども家庭庁 こども政策担当大臣 小倉 將信

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